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「…おい、こいつに触るな。」 頭上から、洸くんのそんな低い声が聞こえて、俺は恐る恐る視線を上げると、洸くんはすごい形相でお化けを睨みつけていた。 「ひっっ!す、すいません!!!!」 お化けさんは高くか細い声をあげて一目散に逃げていく… あれ、もう全然怖くない………てかお化けさん可哀想だ…ごめんな、普通に仕事しただけなのに…… …結局あれか、洸くん最強ってことか。 それきり、なにもアクシデントが起きることはなくすんなりと出口までたどり着いた。 「はぁぁぁぁ…疲れた………でも楽しかったね!」 久々のように感じる外の光がまぶしくて俺を目をパチパチさせながらそう言った。 「…どこがいいんだ、あれの。」 「…まぁ、しばらくの間は行きたくないかな…」 でも、今回はいいもの見れたよ。怖がる洸くんは見れなかったけど、洸くんの優しい手のぬくもりとか感じたし…俺のこと守ってお化けを脅す洸くんも見れたし……へへへっ 「…なに笑ってんだよ」 「べつにー!あ、俺そろそろ片付け戻らなきゃ……洸くん今日は一緒に帰ろう?」 時間の流れが、あっという間すぎて、なんだか切ない。今日はまだもう少し一緒に居たい気分だ。…洸くんも同じように思ってくれてれば嬉しいなあ。 「……ああ、帰り、うち寄れ」 やっぱり、嬉しい 「うん!!!!寄る!!!」 .
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