machi.1

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急いで布団をはねのけて様子を見る。 翔が白目をむいて、激しく痙攣して、口からは泡を… 「助けてっ!! 誰か、助けてっ!!  翔がっ、…翔が死んじゃう!!」 私は半狂乱で、悲鳴を上げて駆け回ったらしく、 隣室のマリカちゃんが救急車を呼んでくれて、 私と翔は中里大学付属病院に搬送された。 今夜の救急指定病院は、私の職場だった。 当直の先生が診察してくれた時には、すでに翔の痙攣は治まり、 呼吸は浅いながらも安定していた。 「熱性けいれんだな。 小さい子によくある。心配いらない」 当直医は、じっと私を見て、諭すようにゆっくり言った。 「大丈夫だ」 「…あ、…ありが…っ」 胸の前で硬く組んでいた手が、ほどけなくなっていた。 お礼を言いたいのに、声が出ない。 翔は、大丈夫。 先生の言葉を理解した途端、足に力が入らなくなる。 「おいっ」 先生に腕を支えられて、自分が腰を抜かしたことに気付く。 「す、…すみま…っ」 立ち上がろうとしても、まるで力が入らない。 「大丈夫だ」 先生が私の腕を支えたまま、ゆっくり床に座らせてくれる。 そのまま自分もしゃがみこみ、目の高さを私に合わせる。
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