machi.番外編4

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「稜さん!」 ゆいの弟の祐は高校三年生で、医学部を志しているらしく、俺の話を素直に聞いて、驚くほど何でも吸収していく。 多分、患者思いのいい医者になるだろう。 一緒に勤務する日が来るのが楽しみだ。 「翔、いい子にしてたか」 翔は俺の訪問をいち早く察知して可愛らしく出迎えてくれる。 抱え上げると小さな両手を首に回してしがみ付いてくる。 会うたびに重さが増しているように感じる。 健やかに成長していることに安心する。 「…ゆい」 ゆいに触れると、ゆいは俺の腕の中ではにかんだ笑顔を見せた。 何度触れても、初めてのように。 柔らかくて甘くて頼りない。 愛しくて胸が痛い。 俺はいつまでお前に触れることを許されるだろう。 その日が来るのを恐れながら、 でも、確かに、 その日が来るのを願っている。 ゆいの幸せを心から願っている。
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