machi.番外編4

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空港の到着ロビーは多くの人で溢れていた。 こんなにも大勢の人がいる中で、たった一人だけを探している。 腕に翔を抱えながら、ゆいはもう何時間も立ち尽くしていた。 この世界にいる大勢の人の中で、たった一人に出会えるのは奇跡だと思った。 出会えたこと。 共に過ごせたこと。 泣き顔も怒った顔も。 焦ったり甘えたりふざけたり。 『稜さん』 俺を呼んで俺を映してくれたこと。 触れ合って溶け合ったぬくもり。 しなやかさ柔らかさ、そして強さ。 ありがとう。 お前の全てを忘れない。 「パパ―――――っ」 ゆいと翔が悠馬を見つけて、悠馬がその目にゆいを映した。 さよなら、俺の初恋。 さよなら、俺の最初で最後の、愛しい人。 ゆいの唇に最後のキスをした。
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