1373人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、…着いたみたいです!」
祐がインターフォンに反応して、慣れた手つきでロックを解除する。
時々、俺は祐と実は同棲しているんじゃないかという錯覚に陥る。
透き通った空の青さがやけに目に染みる。
緑を揺らす初夏の風が耳に心地いい。
こんな風にゆいの心が快晴で、
穏やかに揺るぎなくあることを願っている。
小さな諍いやすれ違いや時には疲労があったとしても。
共に過ごせる時間を大切に笑い合えていることを
いつも願っている。
「稜にい!」
いち早く俺を見つけた翔が部屋の窓を開けて、俺に飛びついてきた。
「翔」
しっかりした身体つきになり、軽々しく抱き上げたりできなくなった翔を受け止めて、頭を撫でる。
「元気だったか」
「うん!」
最初のコメントを投稿しよう!