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「稜さん、昼飯にカボチャの残り使いますよ」
「好きにしろよ」
祐が姉夫婦の荷物を引き上げてから、キッチンでせっせと立ち働き始めた。
絶対、冷蔵庫の中身もキッチン事情も俺より詳しい。
こいつ、こんなに俺んとこに通い詰めてていいのかね。
「あ、祐。一緒にやる」
ゆいがキッチンに移り祐の隣に立つと、姉弟仲良く料理を始めた。
俺の日常は変わりなく緩やかに流れていく。
潰れそうに胸が軋んでも。
喪失感にさいなまれても。
眠れない夜が続いたとしても。
こんなにも心を動かす人に出会えたことに感謝している。
そして。
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