machi.番外編5

7/8
前へ
/260ページ
次へ
「稜さん、昼飯にカボチャの残り使いますよ」 「好きにしろよ」 祐が姉夫婦の荷物を引き上げてから、キッチンでせっせと立ち働き始めた。 絶対、冷蔵庫の中身もキッチン事情も俺より詳しい。 こいつ、こんなに俺んとこに通い詰めてていいのかね。 「あ、祐。一緒にやる」 ゆいがキッチンに移り祐の隣に立つと、姉弟仲良く料理を始めた。 俺の日常は変わりなく緩やかに流れていく。 潰れそうに胸が軋んでも。 喪失感にさいなまれても。 眠れない夜が続いたとしても。 こんなにも心を動かす人に出会えたことに感謝している。 そして。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1373人が本棚に入れています
本棚に追加