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「りょおにいー」
悠馬と翔と三人で追いかけっこになっていたういが、俺の足にしがみついてきた。
柔らかくて温かい。愛しい女の子を抱き上げる。
「だいすきー」
ういが息を弾ませながら、唇を可愛らしくすぼめて俺にキスする。
「ありがとう。俺も好きだよ」
柔らかい髪を撫でながらキスを返すと、
「あ―――っ」
悠馬がこの世の終わりみたいな顔で俺たちを指さして飛んできた。
「うい! こら! お前なんてことを!」
「…俺、将来お前の息子になるかもしれないな」
悠馬に向かってうそぶくと奴は蒼白な顔で固まった。
「え、…マジで」
次いで絶叫。
「マジで―――っ!!」
…世界の歌声をムダ遣いするなよ。
ういが声をあげて笑いながら俺にしがみついてきた。
その愛しい体温を抱きしめる。
そして。
いつかまたこんな風に心から愛しく思える誰かに出会う
そんなあたたかい未来を想像するのも悪くない。
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