machi.1

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ふふふっ。 ナースさんたちが優しい微笑みをくれて、ステーションを出ていく。 「…いいなぁ。あんな王子、あたしもほしい~~~」 「ってかさ。王子から推測するに、パパ、半端ないよね」 「超絶美形、間違いないよね」 開け放ったままのドアから、ナースさんたちの明るい声が聞こえてくる。ごみをまとめて、床にモップをかけながら、私も自然と笑みが浮かんでしまう。 私はここ中里大学付属病院で、清掃、洗濯、備品管理などの作業業務をさせてもらっている。 ナースさんたちは歳が近いこともあって気さくに話かけてくれる。 王子。 なんて呼んでもらっているのは、翔(カケル)のこと。 大事な大事な3歳の息子。 翔は私の全て。 …だけど。
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