いきなり物語が始まるわけではないワケで。

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7月初め。 空から降り注ぐ日光は地面のアスファルトに照り返され、余計に暑さを醸し出していた。 天気予報では最高気温が30度に近いらしい。 気温からいえば、もう夏そのものであった。 だがその暑さにも負けず、道を歩く人物がいた。 イヤホンから聞こえる音楽に合わせ、ポニーテールを軽快に揺らしている。 須田渚。 今年から県立中央高校の一年生となった人物である。
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