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「おはよーです。てか、もうお昼です」
「まあそう固いこと言わず。おはようといただきますは世界共通の挨拶なんよ?」
なんだそりゃと呆れた渚はバッグからお菓子を出して茶髪に渡す。
「ほい、佐藤センセのぶん」
「おー!気が利くね。でもオレ、チップスはのり塩がジャスティスかな」
「文句いうなら返せこの適当人間!」
渚は手を伸ばすが、渡したお菓子には届かない。
圧倒的に腕の長さが違うのである。
ちなみに、佐藤と呼ばれるこの茶髪は剣道部の顧問である。
つまり、ここの教師であるのだが、なんというか全く教師らしくない。
素行の悪い生徒に対して厳しくするわけでもなく。
授業を真面目に受けない人間を叱るわけでもない。
最低限、大人であり教師である立場においてやることをやるだけであった。
おかげで他の先生からはあまり評判がよくないらしいが、相対的に生徒からの評判はいい。
常に無気力というわけではなく、やるときはやるのだ。
これは彼の信条らしい。
そんないい加減な先生が剣道部の顧問に抜擢されたのも意味がある。
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