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「…んぁ?」
目が覚めたら、暗闇の中だった。
「…どこだ、ここ」
「おはよう」
「!?」
「目が覚めた?」
急に聞こえた声に驚いて振り返ると、いつからいたのだろうか。金髪でグラマーなおねえさんが立っていた。
「誰…?」
「あら、人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るものよ」
「…おれは、ユキヒロ」
渋々名乗ると、おねえさんは小さく笑って。
「それでいいのよ。…私はイーラ。西の魔女、イーラよ」
「魔女?」
「そうよ」
言うと、おねえさん――イーラは、持っていた杖を一振り。
「っうぉっ!?」
ふわり、とおれの身体が宙に浮いた。
―――どうなってんだ…!?
「ちょちょ、イーラ…さん!!お、降ろしてくれ!!」
「いいわよ。――私の望む答えを出してくれるなら、ね」
―――はぁ?
(問題でも出すのか?)
「クイズ…か?」
宙に浮かされたまま――なんとも変な状況だ――聞くと、イーラはまた小さく笑った。
「私のために、戦ってくれる?」
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