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月の綺麗なある夜のこと
彼は彼の中の自分に語りかけた
劣等感を感じ
傲慢さ故の愛情を否定し
藁にも縋る思いで女を追いかける日々に
彼は疲れきっていた
だが何も起こらない
月の涙が自分に流れ落ちても
彼にはそれは涙に見えず
ただただ欲まみれ泥にまみれる
無情にも流れ過ぎる時間を
やはり追いかけることでしか
自分を保つことが出来ない彼は
夢を見ることも出来ず
混沌とした現実から逃れることもなく
傲慢さ故の感情から
ただ平行線に終わる
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