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「シルフィードランサー!!」
掛け声と共に頭上に青白い鏡が現れ、その表面から幾つもの光の矢が飛び出した。
光の矢は前方にいるフードを被った謎の生き物を貫く。
「ふぅ・・・」
周りに敵が居ないことを確かめると俺はホッとため息をついた。
(他の皆はもう最深部に着いたのか・・・?)
そう思案していると後方から見知った気配がしたので後ろを振り向くとそこに居たのは・・・。
「さすがの噂に名高い大怪盗も、時間までは盗めないのか。」
「ふん、皮肉を言う暇があったら早く最深部へ行ったらどうだ。」
そこに居たのは仲間の1人、ファントムだった。
ちなみに今皮肉を言ったのが俺で、それに言い返したのがファントムだ。
「しかしまあ、何故フリードは俺とお前を同じ場所に配置したんだか・・・」
確かにそうだ。俺とファントムはグループ内でよく揉めていた。
俺たちの場合むしろ正反対の位置に配置した方がいいんじゃないかという風に思う、が・・・。
『フリードにはフリードなりの考え方かある。俺達はそれに従えばいい。それよりも、俺はもう体力が回復したから行くぞ。』
そう言ってファントムに背を向ける。
そしてそのまま奥の方へと走って行こうとしたが、
「ルミナス!!」
とファントムに呼び止められた。
『なんだ、ファントム』
「死ぬなよ」
と真剣な表情で言ってきた。
それに俺は・・・
『当たり前だ。』
と、さも当然のように返してやった。
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