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「悪かった!!全部俺のせいだ!!」
「…え、えー?なにこれ、俺どうすればいいの?教えてジョセフィーヌwww」
俺が決死の覚悟で下げた頭の上、どこまでもふざけた中原の声が響く。
なんなんだ、真面目に謝ってる俺がバカみたいなこの空気は。
「まあまあ、とりあえず頭上げてくださいよ!」
そう言われておずおずと顔を上げれば、中原はなぜか困ったような笑みを浮かべて俺を見ていた。
「なんかよくわかんないすけど、別に俺大した目には遭ってないんで、そんな気にしなくても大丈夫っていうか」
「中原…」
「ぶっちゃけ寮長にしおらしく謝られると気味が悪いんでやめてほしい的なwww」
「………」
なんとなくイラッとして、へらへらと笑みを浮かべる顔を軽く抓ってやった。
「…なんふか寮長、いたいんれふけろ」
「ぷっ」
なんか、あんだけ悩んでここに来たのに、今はこんなにも心が軽い。
それが心底不思議だった。
「中原…ありがとな」
お前のこと、高杉が可愛がってるからって嫌っててごめんな。
心の中でそっと謝って、手を離した。
ジョセフィーヌが暇そうに欠伸をしているのが目に入って、もうすぐ飯の時間だということをスマホで確認する。
「まあ、話はそれだけだ。邪魔したな」
そろそろお暇しようと立ち上がった時、ベッドの脇から伸びた延長コードに足が引っかかって俺が転ぶのと、中原の部屋のドアが開かれたのは、ほとんど同時だった。
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