寮長を忘れないで の巻

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「い、てて…悪い中原、大丈夫か?…中原?」 なぜか固まったまま動かない中原の視線を辿り、開かれたドアの先にいつのまにか立っていた人物を見上げる。 こいつは、確か、抱かれたいランキング学年1位の… 相楽忍といったか。 中原と同室だったのか。 と、状況を整理しながら考えていると、部屋の中を満たしている殺気のようなものに気づく。 「ちょ、寮長、早くどいてくれませんかね?」 「…あ、ああ、悪い」 下から聞こえた中原の声に、ようやく自分が転んでそれを中原が受け止めてくれたことを思い出す。 身を起こすと、殺気がいくらか和らいだ気がした。 ………いや、殺気て。 俺と相楽の顔を交互に見つめている中原の様子に、どうやらこいつも相当混乱しているらしいことを悟る。 …なんかよくわからんが、早いとこ退散した方が賢明な気がするな。 俺はジョセフィーヌを抱き上げて籠に入れると、じゃ!とおざなりに挨拶を残して部屋を出た。 相楽の横を通り過ぎる時、ジョセフィーヌがいつになく暴れていたが、俺は気にせず寮を出て逃げ帰るように自室に向かった。 正直死ぬかと思ったが、気力で踏ん張った。 .
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