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スライムって不思議だよな。
小さい頃の俺は疑問に思っていなかったがスライムにHPがあるのはおかしいよな。
20分程戦闘しているスライムに俺は困惑する。
――――30分前――――
「じゃあこれが初期装備ね。」
そう言って布と革製の服を上下、それに木の剣、盾、ポーチを渡してくれた。
装備をくれた女性、名を『メリーサ』という。この村の村長の孫娘らしい。
「ありがとうございます。」と俺は会釈する。
青を基調とした勇者らしい装備である。服は良い、だが……
「木の剣で大丈夫なんですか?」
俺はこれから先の旅をこの木の剣で進めていくのは危険だと思った。
「すまぬ、ここ周辺では鉄がとれなくてな。鍛冶職人もおらんのじゃ。」
すまなさそうな顔をする『グレイリー村長』。
「だが心配することはない。ここから数十キロ先にあるガロン村には優秀な鍛冶職人がおる。」
それに―――とわざとらしく言葉を伸ばし俺に笑顔を向ける。
「初代勇者様に剣を打ったという名匠クリック・ロイシースの孫が住んでおるんじゃ。」
初代勇者…おそらくクロスソード本編での主人公だろう。俺もクリックという職人がいることは知っていた。
だがさすがに100年もたっているわけなので本人はとうに他界したのであろう。
「分かりました。私はいまからガロン村を目指せばよいのですね。」
色々とありがとうございましたと言い、深々と頭を下げる。
俺は村長とメリーサさんに見送られ魔王討伐の旅に出た。
はずだったのだが。
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