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扉を開くと黒い影が現れ俺の体を引きずり込む。
「うおっ!!選択ミスだったか!?」
徐々に扉の中に飲まれていく。
気が遠くなり視界が真っ暗になったと思ったのもつかの間―――――
俺は仰向けの状態になっていた。
甘い花の香り、青く澄んだ空、心地いい風を感じる。
俺は上半身だけを起こし、周りの様子をうかがう。
「む…村か?」
小さな家が数件ほど立ち並んでいた。家の作りからして日本のものではないのはすぐに分かった。
どうやらこの村の花畑の中で寝ていたようだ。
「あなたは誰?」
か細い声が横からきこえてきた。
声のした方へ顔を向けると、そこには奇麗なブロンドヘアーの女性がいた。
「あ…すみません。花畑荒らしちゃって。」
「いえ、それは大丈夫だけど、あなたこの辺じゃ見かけない顔ね。」
女性はジロジロと俺の顔を舐めまわすように見る。
「黒髪……」
と小さく彼女が呟いた。
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