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「かわい」 柔らかな声でそう言うと、佐伯は少しだけ身体を離した。 そっと顔を上げると、すぐ目の前に佐伯の顔があった。 ゆっくりとスローモーションのように重なる唇に、胸が震えた。 それ以上の言葉を紡ぐことはもうなくて、ただ静かに私たちは繰り返した。 甘く深く果てしない秘め事を。
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