学園島 路地裏にて

7/11
前へ
/277ページ
次へ
 パラケルスス魔法学園の入学試験は、世界中の至るところで行われる。  が、ジャックとリオンがいた小国では、その小ささゆえに試験が行われなかった。  そのため二人は隣国まで試験を受けに行くこととなったのである。  その試験会場で、会場の案内板を見ようとして近づくと、ジャックは何かにぶつかった。  下を見てみると金色が目に入った。 「おい! 気を付けろ!」  その声を聞いて、ジャックはそれが人間だと分かった。 「あぁ悪い、見えなかった。どうしてこんなところに子供が? 誰かの付き添いか?」  その時少し離れた所で声が響く。 「ジャック・レイドさん! 間もなく実技試験を開始します! いませんか?」 「すぐ行きます! なんだ、あそこだったのか」  ジャックはすぐにその場から離れる。  そのため金髪の子供が、拳を握りしめ震えていたことに、気付かなかったのだ。
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!

260人が本棚に入れています
本棚に追加