学園島 路地裏にて

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 パラケルスス魔法学園がある孤島、通称『学園島』に着いたジャックとリオンは、港で学園の校務員と話をしていた。 「以上で、入学手続きを終わります。  入学式は来週になりますので、遅刻しないように」  そう言った校務員は奇妙なほど無表情だ。  さらによく見れば、この港の至るところに同じ顔の人間がいる。  『似ている』ではない、『同じ』だ。  それもそのはず、彼女らはみな人間ではなく、ゴーレムなのだから。  ゴーレムとは、魔力によって動く人形である。  本来ならばゴーレムは、術者が魔力を供給し続けなければならないが、この学園島には島全体にまるごと魔法陣があり、それを使ってゴーレムに魔力を供給しているのだ。  学園にはこの魔法陣を使った仕掛けが、ほかにも多くある。
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