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港を出て最初に目に入ったのは人、その次は人、その次もやっぱり人、とにかく人が多い。
なかなかの広さがある通りいっぱいに、人があふれている。
「人ゴミとはよく言ったものだ。
まさに人がゴミに見える」
ジャックは船の上での上機嫌が嘘のように、機嫌悪そうに言った。
「頼むから暴れるなよ。入学式の前から問題を起こしたくない」
リオンはそう言うが、ジャックは舌打ちをしただけで返事をしなかった。
「ほら、この通りを抜ければ学生寮まですぐだ。
さっさと荷物を置いてゆっくりしようぜ」
ジャックはそれを聞いて、この人混みの中を抜けるのか、と思い、ますます機嫌が悪くなった。
彼の機嫌がいいことは本当に稀なのだ。
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