学園島 路地裏にて

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「来週からいよいよこの学園の生徒か~、どんな精霊と」「すいませんお姉さん、そこのリンゴとモモ一つ」「てめえ! 今俺の肩にぶつかった」  うるせぇ、片っ端から殴り飛ばしてやろうか。  ジャックはわりと本気でそう思った。  機嫌悪そうだなぁ、片っ端から殴り飛ばしたりしねぇよな。  リオンはかなり本気でそう思った。  わかってはいたがやはり人が多い。  これなら回り道したほうが、良かったかもしれない。  急がば回れ、昔の人はいいこと言った。  そう考えてジャックは、リオンに声をかけた。 「おい、リオン! どこかで人の少ない通りに抜けられないか? その方が早く着きそうだ!」  雑踏にかき消されないように、大きな声で叫ぶように言ったが、返事はない。  もう一度名前を呼びながら振り返ったが、そこにリオンの姿はなかった。  どうやら人混みに流されはぐれたらしい。  ジャックはそれがわかり、とうとう暴れ出しそうなほど機嫌が悪くなったが、たまたま人混みの先に路地裏を見つけ、そこに抜けて気分を落ち着かせた。  少し休んでから寮に向かおう、リオンともそこで合流出来るだろう。  そう考えた時、 「ジャック・レイド!」  自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、振り向くと金髪の少女が殴りかかって来た。
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