1 実家に帰ろう

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そんなこんなで帰ってきた、久しぶりの実家。 電車を乗り継いで、最寄り駅までは兄貴が迎えにきてくれた。 夕飯には、俺の好物がずらりとテーブルに並んでいて。 うれしそうな両親を見て、帰ってきてよかったと思ったんだ。 「これ、遅くなったけど給料もらったから」 先輩に言われたプレゼントを、親父に差し出す。 何がいいのかさっぱりわからなくて、無難に夫婦茶碗にした。 箸と湯のみもついているから、まぁ、二人で使ってくれ。 「へー、真兄でもそんなことするんだー」 ニヤニヤと笑って言ったのは、弟の隼人(はやと) 「うるせー」 言いながら頭をはたいてやったら、暴力反対と叫ばれた。
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