1 実家に帰ろう

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「……下、宮下!」 耳元で大きな声で呼ばれて、我に返った。 すぐ間近。 キスがしたくなる距離で、おもいっきり冷めた目で睨まれた。 「なにニヤニヤしてんだよ」 「って!痛っ、痛いっス」 俺はどれほどにやけた顔をしていたのだろう。 右頬をねじるようにつねられて、本気で涙が出そうだった。 「目、覚めたか」 「…はい」 ようやく離された頬を撫でて、先輩を見る。 夏なのに、涼しそうな顔と白い肌。 キレーだなぁ。 こういう、ちょっと冷たい表情もソソルんだよね。 押し倒してぇ。
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