八 仕事の話

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今朝、課長とともに部長に呼ばれた。 用件は先日聞かされていたからわかっている。 来年から本格的に外国人社員を採用しようという話。 それに先立って、外国人向けの採用パンフだとか、研修計画だとか、その他もろもろを作れという。 それはもちろん、我が採用企画課の仕事であるし、やることに不満はない。 ただ他の仕事も立て込んでいるから、人員はあまり裂けないという。 企画係から一人、指導から一人。 プラス社外からの応援が一人。 計三名が主メンバーで、ひと月で片をつけてくれと、そう言われた。 「雑務とかやるヤツが必要なら、宮下をつけるか?」 部長室を出て歩きながら、課長に言われた。 たしかに細々とした作業をしてくれる人手は欲しい。 できることなら宮下をそばにおいておきたい。 けれど。 「いえ、とりあえず大丈夫です。 宮下には他の業務をやってもらいますので」
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