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帰宅後、宮下から唯香の話を聞かされた。
買物?
唯香が宮下と?
何のために???
びっくりして言葉が出ない。
「先輩が忙しそうなので、代わりに俺とってことでした…」
歯切れの悪い宮下の口調がひっかかる。
何かを隠しているような。
いや、違う。
隠しているのではなく、言えないのかもしれない。
どちらにしろ、あまりよい傾向ではない。
そのうち唯香には、きちんと話さなきゃいけないのだろうと思いつつ。
先送りにしてしまっていた。
一番怖いのは、唯香から、母や祖父へ伝わって。
そこから社長である叔父の耳に入ること。
そうなれば宮下がよく思われないことは想像に難くないから。
俺のせいで宮下を傷つけることだけは、したくない。
唯香を口止めできるのだろうか。
あっちもこっちも、気が重くなる話ばかりだ。
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