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交代で風呂に入って、ソファーに並んでココアを飲む。
甘いものが欲しいのは、疲れているからかもしれない。
大変なのはこれからなんだけど。
今はもう考えたくない。
仕事のことも、唯香のことも。
少し頭から追い出したっていいだろう?
宮下も疲れているのか、甘いココアを飲んでいた。
空になったカップを置いて、もたれかかる。
宮下の大きな手が髪に触れて、優しく撫でられた。
俺の好きな宮下の手。
目を閉じてその感触を追っていると、カタンと小さな音がした。
それから両腕でふわりと抱きしめられて。
「先輩」
甘い声がする。
ここはとても心地いい。
宮下の腕の中にいるだけで、力が抜けて眠たくなる。
俺って意外と甘えたがりだったんだな。
初めて知った自分に、笑いが漏れた。
小さく見上げると、宮下の顔が近づいてきて。
ココア味のキスをされた。
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