八 仕事の話

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交代で風呂に入って、ソファーに並んでココアを飲む。 甘いものが欲しいのは、疲れているからかもしれない。 大変なのはこれからなんだけど。 今はもう考えたくない。 仕事のことも、唯香のことも。 少し頭から追い出したっていいだろう? 宮下も疲れているのか、甘いココアを飲んでいた。 空になったカップを置いて、もたれかかる。 宮下の大きな手が髪に触れて、優しく撫でられた。 俺の好きな宮下の手。 目を閉じてその感触を追っていると、カタンと小さな音がした。 それから両腕でふわりと抱きしめられて。 「先輩」 甘い声がする。 ここはとても心地いい。 宮下の腕の中にいるだけで、力が抜けて眠たくなる。 俺って意外と甘えたがりだったんだな。 初めて知った自分に、笑いが漏れた。 小さく見上げると、宮下の顔が近づいてきて。 ココア味のキスをされた。
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