9 二人でお買物

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土曜日、午後二時。 それが福原さんとの待ち合わせ時間で。 朝から俺は迷っていた。 「なんでもいいだろ?」 あきれたような先輩の声。 それを後ろに聞きながら、手にした服に頭を悩ます。 「どっちがいいっスか?」 考えすぎてわからなくなってきた。 適当に二枚掴んで、振り返る。 あぐらで俺を見上げていた先輩が、ため息ついて立ち上がった。 「好きにしろ」 「ちょっ、先輩待って!」 部屋を出て行こうとする後ろ姿に、あわてて追いすがる。 抱きしめて、耳元で、精一杯の甘えた声。 「お願い?」 またしても盛大なため息をつかれた。 「あのなぁ。なんで俺が、お前と唯香のデート服を選ばなきゃいけないんだよ」 俺の腕から抜け出して、先輩が振り返る。 ちょっと怒ったような、拗ねたような顔。 ヤキモチですね、これは。
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