9 二人でお買物

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「ほら」 俺はどうやらしまりのない顔をしていたらしい。 選んだ服を渡そうと振り返った先輩が、一瞬嫌そうに眉をひそめた。 これも今ならわかる。 先輩は、俺がへらへらしているのを好まない。 でも先輩のせいだから。 かわいすぎる先輩が悪い! 「似合います?」 言われるがままに着替えて、先輩を見る。 上から下までじっと見つめられて、ちょっと照れてしまった。 自分では選ばない組み合わせ。 先輩の好みかなぁ?なんて、うれしくなるじゃん。 「あと、コレな」 いったん部屋から出て行った先輩が、何かを手にして戻ってくる。 首に巻かれたもの。 革の感触? 鏡を見たら、細い革のチョーカー。 「首輪みたい」 そう見えなくもないデザインにつぶやいたら、後ろから言われた。 「みたいじゃなくて、首輪だ。お前にやる。ちゃんと帰って来いよ」 鏡越しに先輩を見ると、そっぽを向いた赤い顔。 うわぁ。やべぇ。 「襲っていいっスか?」 殴られた。
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