0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょ、そんな簡単に言うなって」
まだついてこようとする。
仕方なく立ち止まり、蹴りを入れる。
「あぶねっ!」
あくまでもふりだが。
「僕についてくんなよ。いくら雫と仲いいからってさ?」
「いやだって、ほか頼れそうなのいないし……」
とたんに、僕から溜息が溢れる。
「はっきり言うか?女子は頼れない男子は嫌う。特に雫なんかは守ってもらう側だ。ヘタレで、ストーカーもどきなお前が好かれる可能性は低い。むしろ好かれたら奇跡だ。雫にとってお前はクラスメイトだ。それ以上でも以下でもない。僕でさえそうなんだからな?」
溢れた苛立ちと呆れをすべてぶちまけた。
「……どうしろって…………」
たじろぎだした姿に余計に腹が立つ。
「だから!自分で考えて行動しろ!」
立ち竦む吉津になんの気も使わず、校門を早足で出ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!