ソナタの姫

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「…もぉ~、やっと二人で話せたのに……」 頭を抱えて座り込む。 刹那が、あんなにも強い意志で夢の中に留まっているとは思わなかった。 研究が上手くいって、その成果を楽しんでるくらいだとしか思っていなかったんだ。 もしかしたら刹那は、最初からこれが目的だったのかもしれない。 両親のいる世界を作り上げるために、あの装置を開発したのかも。 「……どうしよ」 小さな嘆きが、私しかいない部屋に虚しく響いた。
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