2人が本棚に入れています
本棚に追加
「寒いなぁ・・・」
私はそっと息を吐いた
二週間ぶりに歩く通学路
その両脇には桜並木が続き、地面を薄桃色に染めていた
冷たい風が仄かに桜の香を乗せて私の頬を撫でる
暫く前に比べればかなり暖かくなったと思う
でも寒がりである私には、少しばかり肌寒く感じる
冷たくなった手を擦り合わせながらふと上を見上げた
風に乗って無数の花びらが宙を舞っていた
「わぁ、綺麗・・・」
ふと声を漏らす
名字が「桜井」だからなのかな
私は小さい頃から桜が好きだった
最初のコメントを投稿しよう!