究極のフェロモン香水

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 彼女は勇気を出してその錠剤を飲み、気になっている男性の家の近くに行ってみた。高い塀に囲まれた豪邸という感じのお屋敷の側をうろうろしていたら、突然大きな猟犬が二匹彼女に飛びかかった。  彼女は地面にへたり込んで怯えたが、犬たちは彼女の顔をしきりと舐めてクンクンと甘える仕草をした。するとかの男性があわてて駆け寄ってきた。 「こら、お前たち、よさないか。申し訳ない、お嬢さん」  彼は同じく富豪の跡取り息子。彼女とはパーティーでよく顔を合わせたが、人間嫌いで有名な偏屈な人で、ろくに話をした事もなかった。金持ちの家にありがちな問題がいろいろあって人間不信になっているらしい。彼は彼女の手をつかんで起こしながら驚いた顔で言った。 「しかし不思議だな。こいつらが僕以外の人間にこんなになつくなんて」
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