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『桜歌学園文化祭、開始だ』
ご主人様の放送で、文化祭が始まった。
ざわざわと校舎が賑わい始め、親たちがぞろぞろと入ってくる。
そな景色を生徒会室から眺めていれば、秋月さんに肩を叩かれた。
「教室に行っても大丈夫ですよ。また何かあれば呼びますから」
「分かりました。ありがとうございます」
お言葉に甘えさせていただくことにする。
人混みを、人とぶつからないように歩いていけば、聞き慣れた大きい声が聞こえる気がした。
あれは十中八九荒田さんだと思うが、会うのは言ってしまうと面倒なのでバレない内に退散することに限る。
「ナオー!待ってたよ、はやく着替えてっ」
華也が真っ先に気付いてくれ、服を手渡された。
背中をぐいぐい押されて、区切られたカーテンの仕切りの奥でさっさと着替えることにする。
もう教室ではカフェが始まっているようで、ざわざわと人の声が大きい。
おれも、頑張らないとな。
ゆるゆると緩む頬を少し抑えて、教室へと向かった。
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