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「え、ちょっとおれの意見は!?」
「なし」
即答されて、椅子の背もたれに背中を預けた。
まあ、別にいいかな。
クラスの雰囲気を、おれが駄々をこねて悪くさせたくないし。
犬だなんて。
全く、皐月は全て知っていそうで怖いなぁ。
わりとすんなり決まっていく係り。
華也は猫のコスプレで接客係。
皐月は狼で受付をやる、とのことだ。
コスプレの衣装は、クラスの裁縫好き(しかもプロ並み)が担当してくれるとのことで。
華也に頼まれた彼たちは、満面の笑みで頷いていた。
文化祭自体は初めてではない。
体育祭と違って危険が多くないので、家からは禁止されていなかった。
が、1、2回ほどしか出ていないし、放課後はすぐに家に戻らなければいけなかったから、準備とかしなことがない。
今も、生徒会の仕事をほっとくことは出来ないが、少しくらいなら協力することが出来るだろう。
「楽しそう、だね…」
生徒会室。
紅茶を淹れてくれた百瀬さんに言われてしまった。
そんなに顔に出ているのだろうか。
少し恥ずかしい。
「はい。文化祭、楽しみなんです」
「直紀くんのクラスってなにやるのぉ?」
ソファで寛いでいた夏川さんが、話を聞いていたようで参戦してくる。
「動物コスプレ喫茶店です」
「ははっ、なにそれ可愛いなぁ。行けたらぁ行くねぇ」
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