文化祭準備の日。

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わしゃわしゃとおれの髪を弄ってくる夏川さん。 「さらっさらぁ」と楽しそうに弄ってくるのでそのままにしておく。 「夏川さんの所は何をやるんですか?」 「んんー?内緒って言ったら直紀くん来てくれるぅ?」 おれを見上げるように、夏川さんがあざとく笑う。 至近距離で言われたため、不覚にも赤くなる。 ああ、この人はこういう人だった…! 赤くなった顔を隠すように手で押さえてうつ向いていれば、鼻歌混じりにまた髪弄りを再開した。 「はぁーい完成」 「可愛い」 鏡もないので、夏川さんがやってくれた髪が分からないが百瀬さんも誉めてくれたので似合っていない訳ではなさそうだ。 でも気になるな、と鏡を探しに辺りを見渡せばすっと夏川さんが鏡を手渡してくれる。 「あ、凄いです…!ありがとうございます」 あの短時間で、夏川さんはおれの髪を編み込みにして纏めあげていた。 可愛い! 「お気に召しましたか?お客様」 「はい…!」 ご主人様にも見てもらいたいのだけど、帰ってくる様子がない。 思った以上に呼び出された先生の話が長引いているのだろう。 夕飯の準備もしたいし、寮でも会えるので今すぐでもなくていいかな。 「お先に失礼します」 昇降口で靴を取り替えている時。 肩を叩かれる。 「宮野直紀。ちょっと時間いいか?」 数人並んでいた彼らは、確か荒田さんの親衛隊だ。
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