文化祭準備の日。

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もこもこ。 今、俺が手に取った服(犬コスプレ)を一言で表すならこれだ。 皐月に着てこいと言われてしまったのだし、このもこもこ服を着なければいけない。 抵抗感しかない。 「着替えた…よ」 そろりと顔を出せば、ざわついていたクラスメイトが静かになってしまった。 …反応が欲しい。 犬の肉急がついている手袋のようなものに、犬耳カチューシャ。 尻尾付きの短いショーパン。 太ももまでのブーツ。 全てもこもこ。 アワアワと皐月がしているので、「わん」と鳴いてやれば、鼻を押さえた。 手は真っ赤だ。 そこに素早く華也がテイッシュを差し出している。 手慣れてる、皐月の扱いがまだレベルアップしてるんだけど。 見てない内に。 「可愛い!ナオに似合ってるよわんこコス!」 華也に手を取られるが、もこもこすぎて全然感触がない。 「ありがとう、華也」 褒められたし、なかなかに恥ずかしい格好のために頬が染まる。 ふと、周りを見渡してみたら、クラスメイトのほとんどが居なかった。 皐月がテイッシュでまだ鼻を押さえながらふらふらと近寄ってくるので、華也を盾に首を傾げた。 「ンギャワ!!直紀似合いすぎ僕は正しかった!みんなが困るからもう制服に着替えていいぜ」
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