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ご主人様は驚いた顔をした。
無意識に呟いていた言葉なので、おれも驚いている。
なにを…なにを口走っているんだおれは…。
「はは、そうか。俺と一緒に居たいのか、そうか」
腕を引かれて長い廊下を歩く。
ご主人様の方が背が高いから、おれよりも歩くペースが速い。
おれはご主人様の斜め後ろを小走りで着いていっていた。
斜め後ろだから、顔は見えない。
でも、ご主人様の耳…赤い。
かぁっ、と顔が赤くなる。
小走りで息が上がって赤くなる訳じゃなく。
ご主人様…嬉しかったのかな?
なんて。
おれはご主人様の手を少し強く握ってみる。
びくっと一瞬驚いたようで、でもすぐに握り返してくれた。
あぁ…好きだなぁ。
なんて、思ったりなんかして。
その考えを消すべく、おれは頭を振った。
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