桜歌学園に行く日。

11/26
前へ
/217ページ
次へ
なんだか、テンションが高い人だったな。 校内に入っても見た目通りで、廊下も広く、色々と豪華な造りだ。 学校って、こういうものだっけ? と考えていれば、ご主人様が止まった。 目の前には、他のドアよりも少しだけ頑丈そうなドア。 「ここ、職員室な」 ノックもなしにご主人様は開けた。 中にいた職員の人達(多分)は一斉にこちらを向く。 「ひっ」と声を上げそうになるのを押さえ、思わずご主人様の手を強く握ってしまう。 ご主人様は苦笑いしながら握り返してくれた。 「あー、龍宮、こっち来てくれ」 奥の方で大人の男の声が響く。 そこに向かえば、教師かどうかを疑う男性が椅子に座って煙草を吸っていた。 「お、こっちが宮野直紀か?」 「みや、の?」 宮野って? という意味を込めてご主人様を見つめれば、「後で」と目線で返されてしまった。 まぁ、おれの新しい名前なのだろうけど。
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3504人が本棚に入れています
本棚に追加