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「俺が宮野…直紀でいいか。直紀の担任の佐々木敦な。まぁ、適度に頑張れよ」
ホストのような男性、改め佐々木 敦(ささき あつし)先生は右手を差し出す。
握手、の意味なのだろうとおれを右手を出し佐々木先生と握手をした。
「後はこいつから聞け。俺は生徒会に戻る。説明が終わったら生徒会に来いよ?」
「分かりました」
ずっと繋いでいた手を離し、ご主人様は職員室から出ていった。
「お前…すげぇな。龍宮とどうやって知り合ったんだよ」
佐々木先生は立ち上がりながら煙草を消す。
職員室で吸っていいものなのか?
そもそも。
いや、駄目だろ…。
「成り行き…です」
「ふーん」
佐々木先生は自分から聞いておいて、全然興味なさそうな声をあげる。
おれが、龍宮家にお世話になってるのは、ご主人様がおれを拾ってくれたからで。
龍宮家はあまり桐生家に顔を出さない。
きっと、おれのことも覚えていないだろう、ということで一緒に居るんだ。
そんなこと、言えないから。
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