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途中、本当に迷ってしまったがなんとか外に出て来ることが出来たので良しとする。
広すぎるのが悪いと思うんだ。
はぁ、とため息をついてしまえば笑い声が聞こえた。
「寮に来るだろうと待ち伏せしてやったよ!」
ガサと音がして朝のように登場してきたのは、やっぱり朝のテンションの高い彼で。
「名前、教えてくれなかったからさ」
口元が上がってるから笑っているらしい。
ネクタイを見れば彼も赤なので同じ2年。
「宮野直紀です。朝は言えなくてすみません。急いでいたので…」
「直紀ね、直紀ってよんでいい?」
背中をバシバシと叩かれ笑う顔がひきつる。
ちょ、強すぎる…っ!
「はい、直紀と呼んでください。加賀美さん」
「やっだなぁっ!加賀美さんなんて他人行儀すぎ、気持ち悪いな。皐月って呼べばいいよ」
ウィン…と寮の自動ドアが開く。
もうなにも言わない。
だって校舎があんな(豪華)だったんだ。
寮だって豪華だろう。
シャンデリアがあるとか、ロビーがどこかの高級ホテルのようだとか。
一般的常識持ってるから、この学校の異常差がよくわかる。
ここに来るまでにも、森みたいな所があったし。
あそこに行ったら、おれ、絶対に帰ってこれない。
「皐月さん、寮長さんはどこに?」
「呼び捨て!そうしないと教えねーから!」
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