桜歌学園に行く日。

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どうやら、おれの部屋は最上階らしい。 生徒会専用の階だと言う。 ここは一般生徒…皐月達は入れない。 風紀委員会は、その下の階で過ごしているのだ。 「じゃーまたぬー!」 エレベーターから先に降りた皐月は大きく手を振りながら去っていく。 今、授業中だよな。 サボりなの?ねぇ、皐月。 そんな堂々とサボりなの? とツッコミたいが、色々教えてくれたので、何も言わない。 「うっわぁ…」 最上階で降りれば、そこは広い広い階で。 ここを、生徒会だけで使うのか。 カードを見ながら部屋を探す。 といっても部屋数は異様に少ないのですぐに見つかった。 皐月が言っていたようにカードを翳せば、小さく音をたててカギが開いた。 「失礼します…」 誰も居ないと知っていても、なんとなく言っておいた。 これからお世話になる部屋だからね。 寮のイメージを壊さず、部屋の中もかなり広い。 部屋数も多いし。 一人暮らしに、こんなに広いスペースは要らないだろう。 これが、金持ち校の狂った金銭感覚か…。 お風呂場やキッチンの位置を確認したあと、段ボールの積み重なる部屋の前を見つけた。 多分、ここがおれの部屋。 おそるおそるドアを開ければ、そこには何もない。 いや、ベットと机とタンスはあるけれど。 1つずつ段ボールを中に運び、入れる。 上には紙が貼ってあり、どこに何が入っているか書かれてるので有り難い。 とりあえず服を取り出す。 おれが着ていたものと同じところのブランドだ。 流石、龍宮家。
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