2年A組に入る日。

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何処かに行っていた皐月が戻ってきて、すぐに後ろを振り向く。 目が合う…合わないけれどあった気がした。 「なーに?僕の話なわけ?」 「うん。さっきゅんと友達なの?って聞いてたの」 「おー。友達、友達っ!直紀の初友なんじゃねーの?な」 目を伏せ、小さく頷く。 少し照れくさかった。 「ボクも友達になりたいな!ボク、若松華也ね」 若松 華也(わかまつ かや)さん。 漢字を聞いたら、華也さんにぴったりの字だと思った。 だって、華(はな)だし。 「華也って呼んでね。直紀くん…んー…ナオって呼んでもいいかな?」 「はい。いいですよ。これからよろしくお願いしますね、華也さん」 華也さんは何か言おうと口を開いたところで、次の授業の先生が入ってきてしまい席に戻っていった。 また、新しい友達が出来た。 嬉しい。 想わず笑みを溢せば、まだ皐月がこっちを見ていた。 「え、なに?」 「いーや。可愛いなって」 何を言っているんだ。 何か言い返そうとしたとき、授業前の号令がかかる。 …狙っているのか、この人達は…。 結局皐月も前を向いてしまい、なにも言えなかった。 なにをしたかったんだろう、皐月は。
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