2年A組に入る日。

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運んで来てくれたウェイターさんに笑顔でお礼を言えば、ウェイターさんは一瞬だけ驚いたがすぐに笑顔で戻っていった。 プロだ。 なんで驚いたかは、分からないけれど。 「フラグだぜ…!」 皐月が何かを呟いたが聞き取れなかった。 ニヤニヤしてるところを見ると、特に必要性はないみたいだ。 スルーしよう。 食後のデザートを食べているとき、さっきの集まりのことを思い出した。 相変わらず、デザートは美味しい。 新入生の歓迎会。 この事をおれはなにも知らない。 皐月に聞こうと思っていたんだった。 「新入生の歓迎会って、なんのこと?」 皐月はジャンボパフェと格闘中だ。 「もひょひょ…んぐ……」 どうやったら「もひょひょ」と声が出るか分からない。 皐月なら…と納得してしまう気もする。 パフェのフルーツとアイスを口一杯に詰め込んだようで、話せないのだろう。 リスのように頬を膨らませている。 コップの水を眺めながら皐月が飲み込むのを待つ。 デザート、もっと食べたいな。 お金勿体ないから食べないけど。 だって、ご主人様から貰ってるお金だし。 バイトとか出来ないのかな。 金持ち校だし、そういう発想すらないのかもしれない。 「ふぃーめんごー。流石に入れすぎたわ。新入生の歓迎会のことだったよな?」
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