きっかけの日。

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そんなこと、等の昔に知ったことだ。 それでもおれは、 自分の未来を諦める気は、全くない。 逃げよう。 自分の未来から。 自分の両親から。 『桐生』という名前から。 おれはおれの思うままに生きたい。 「お父様、お母様。 出来損ないの息子で、ごめんなさい」 誰も居ない自室で呟く。 今日でおれはただの『直紀』だ。 いつバレて、連れ戻されるかもしれないというスリルと共に生きるのも、悪くない。 「さようなら」 おれは桐生を捨てた。 持っているのは、少しの服と少しのお金。 生きていける。
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