新入生歓迎式の日。

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新入生歓迎式当日。 始まるのは午後からだが、生徒会は準備やら何やらで午前から慌ただしく動いていた。 生徒会は授業免除という特権があるので、出席扱いになっている。 仕事が多いから、だそうで。 先輩方はそれを良いように使っていたみたいだが、仕事は終わっているので文句はない。 初めての仕事は、新入生歓迎式という大きな行事だ。 それなりに緊張もあるが、耐えられる緊張感。 次第に大きな体育館に生徒は集まってくる。 集合の10分前には全校生徒が集まっていた。 『これから、新入生歓迎式を始めます』 秋月さんの一声に全校生徒が静まる。 『まず、会長からの挨拶です。帝、どうぞ』 マイクを持ったご主人様は笑う。 『会長の龍宮だ。これから始まる新入生歓迎式は全校生徒が楽しめるようにと、考えたものだ』 どこかで「かっこいい…」と呟くのが聞こえた。 うん、ご主人様はかっこいいよ。 『2、3年は新入生との交流を深めつつ、楽しめ。新入生は慣れていないだろうが精一杯楽しめ。以上』 『では、今年の新入生歓迎式でやることを発表します』 ざわり、空気が揺れた気がした。 マイクを持つ秋月さんの隣に移動する。 『今年は、「鬼ごっこ」です』 秋月さんに合わせて、持っていた大きな紙を広げる。 バサッと音がして開かれた紙は『鬼ごっこ』の文字。 全校生徒に見えるようにと大きな紙なので、背伸びをするはめに。 『ルールは会計から発表されます。真咲』 夏川さんにマイクが渡ったため、おれは紙を丸めて端に置く。 百瀬さんの隣に行きほっと息をつけば、微笑まれ頭を撫でられた。
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