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〝──はどうかしてるよね、俺なんかより芳次の方がいいのに〟と
僕はその日、彼女があいつに告白した後の彼女をすれ違いざまに見たんだ。
彼女は、泣いていた。それもあいつの無慈悲の言葉によって。
僕は許せなかった。そんな簡単な理由で彼女を泣かせたことを。
そして次の日、僕の転校が決まった。
おっと、話が逸れたね。
話を戻すと、僕の容姿は、かっこいいと言えばかっこいい、かっこよくないと言えばかっこよくない。
どっちつかずな顔をしている。よく弄られポジションにいる友達、一倉 優斗(いちくら ゆうと)にフツメンだな。って言われる。
まぁ、僕自身そんな容姿にこだわってないし、誠人の事をねたんでるやつとかいっぱいいるが実際どうでもいい。
今日は高校の入学式。
この町で一番の進学校に入学した。
一生懸命勉強したからね。
高校は、丘の上にある私立の高校。桜ヶ丘高校だ。名前って安直だね。
校門までの道のりは、桜の木が植えてあって実にいい景色だ。
中学生の時とは違う通学路を歩くと、ついに僕も高校生になったんだなと実感が持てる。
僕は、いい気分で歩いていると後ろから声を掛けられた。
「よぉ、芳次じゃん。久しぶり」
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