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あれからというもの、私達は全くと言っていいほど会話をしなくなった。というか私が近寄ると陽菜が少し避けてくる。少し寂しかった。
ここ最近休み時間になると、クラスの入り口付近で、陽菜と隣のクラスの男子が話をしているのをよく見かける。凄く楽しそう…なんか…寂しいなぁ……
「(…て、私はさっきから寂しいな寂しいなって情けないなー全く!こんな時こそ、明るく、前向きに、ポジティブに考えよーう!よーし!)」
とは言っても、何でかな、私ここ最近ずーっとモヤモヤしてるの。陽菜と男子が話してるの見ると心が凄く痛くなるの。あの二人は付き合っちゃってるのかな…?もしかして私、陽菜のこと好きだったのかもしれない。でももう遅いよね、何でもっと早く気付けなかったのかな…?
―――放課後―――
いつもは陽菜と一緒に帰っていたけど、今は一人ぼっち。強くならなきゃいけないんだろうけど、やっぱしちょっと複雑だなー…
(「あ…あれって陽菜と…隣のクラスの男子…だよね?」)
下駄箱に陽菜と男子が居た。私はその場に何だか行きずらく、暫くの間遠くから見守ることにした。
「(なんか雰囲気悪そう…陽菜凄く嫌そうな顔してるし…って、あ!)」
次の瞬間、いきなり男子が陽菜の手を繋ごうとした。
「ねぇ!ちょっと!止めて触んないでよ!!」
「止めなよ!!!」
「え……ひかる?」
私は無意識に二人の前に出ていってしまっていた。
「何なの!?ひかるには関係ないでしょ!引っ込んでて「関係無くないよ!!…陽菜、ちょっとこっち来て。」
私は無意識にそういうと、陽菜の腕を思いっきり掴みながらトイレへと連れ込んだ。
「こんなとこに連れてきてどういうつもり?私ね、約束した通りひかるにフラれたからあの男と付き合ってるんだよ!私のこと好きじゃないのに勝手なことしないでよ!!」
「ごめんなさい!」
「はぁ…?」
「ごめん、陽菜、私ね、自分の気持ちに中々素直になれなかったみたい…陽菜が男子と話してるの見て、本当は今までだってずっとずっとヤキモチ妬いてたんだと思う。陽菜に好きだって言われてから気づいたの…私も陽菜のことが大好きなんだって。ふざけあいながらハグした時、陽菜の体温や匂いにドキドキしたり、ちょっとした仕草にきゅんとしたり、だから…嘘ついて本当にごめんなさい…」
「………プッ」
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