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「そうだ、弥生くんは君達と違う行動を取った。そして、行動を修正させ皇一くんとの仲を取り持てば確実に今の状況になると、私は作戦を修正した。
忍は溺愛され過ぎて知能が子供と変わらん。考えることを知らんのだな。そして、ズバズバと思ったことをいうからな。
そんな忍を完全に私に懐かせ、私以外に靡かないように調教するには……特に信頼していたと思っていた者たちに裏切られ、引き離される。そんな状態につけ込むのが一番だ。
ご理解いただけたかな?」
忍の話をするときの理事長の顔は恍惚としていた。
だがな・・・・・、
その先は考えていなかったわけでもないだろう。
「理事長、貴方は忍を転入させるときにあらゆる方面に圧力をかけましたね。それの証拠が揃ってます。これも作戦のうちですよね?」
理事長は鼻で笑う。
「当たり前だ。私には忍さえいればまだ生きられる。忍を養いながら豪華に暮らすだけの貯蓄はあるのでな。それと後任の理事長も厳正に審議している。決まるのは時間の問題だ」
……。
「そうですか。それならば理事長を引退なさるということですね?」
「もちろん、忍とともに新婚さながらの生活をひっそりと送らせてもらうよ」
忍を抱き寄せ、熱いキスを交わしあい恍惚としていた二人を見て、手のひらで転がされたと気分を害した俺は理事長室を出ていく。副会長も出た。
それから1週間、本当に理事長は引退し新しい理事長が就任した。
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