不狸ジェイル

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「なに世間では、もう死んだことになっているよ」 わしはスマホを取り出して、用意しておいた画像を長谷川シュウヤに見せた。 長谷川シュウヤは、その画像を見てぎょっとした顔をしてわしの事を見てくる。 「これ、俺が閉じ込められたカードじゃねえか」 そうじゃ。長谷川シュウヤに見せたのは、自分が閉じ込められたカードに×印をつけられたもの。 人間カードでは、×がついたものはその牢獄内で死亡した事を表す。 長谷川シュウヤに勝利した後、わしはこの画像を人間カードのユーザーに広がるようにバラまいてやった。 予想以上の反響でな。今、ブラックオーシャンと村正一文字では大騒ぎになっているみたいじゃ。 「なに。そんなに難しい事じゃない」 わしは白紙のカードを一枚取り出した。そのカードは、白紙だというのに大きな赤い×印がついている。 「閉じ込めた後に、赤いインキで書きこんだだけじゃ。このペンは本物と同じような色味が出るから面白くてな。一回やってみたかったんじゃ」 長谷川シュウヤは、気が抜けたというほど呆れた顔をしてわしの事を見ていた。
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